■バッテリーについて
バイクと電動アシスト自転車で使われているバッテリーの特徴や扱い方を説明させていただきます。

■それぞれの特徴
種類 長所 短所 自然放電 コスト 容量
電動
自転車
ニカド電池 大電流の放電が可能
歴史が長く幅広く使われている
生産コストが安い
低温環境での電圧降下が少ない
自然放電が大きい
容量が小さい
含有するカドミウムが有害
メモリ効果現象がある
ニッケル水素電池 ニカド電池の2.5倍程度の電気容量
メモリ効果現象がある(ニカドほどでない)
ニカド電池に比べて過充電に弱い
破裂などの危険性が高い(リチウムイオン電池よりは低い)
リチウムイオン電池 メモリ効果がかなり小さい
ニッケル水素電池より電気容量が大きい
自己放電特性がニカド、ニッケルより格段に良い
過充電において危険な状態になる事がある
保存特性はニッケル水素電池などより劣る
満充電状態で保存すると電池の劣化は急激に進行する
利用法によっては発火・爆発する危険性がある
 
バイク 鉛蓄電池 短時間で大電流放電させたり、長時間緩やかな放電を行っても比較的安定した性能を持ち、アルカリ蓄電池類の弱点
であるメモリ効果は無いが、逆に放電し切るとサルフェーションと呼ばれる現象を起こして性能を著しく悪化させるため、
使用すれば出来るだけ早く充電することが望ましい
※メモリ効果現象
容量のほぼ全てを使い切らない、電荷が十分に残っている状態で継ぎ足し充電を繰り返すと、電荷が残っているにもかかわらず放電電圧が低下し、
結果として容量が減少した様に見える。

※自己放電
バッテリーは放置しておくと次第に放電し容量が低下します。これを自己放電と呼びます。バイクバッテリーに最も多い、アンチモンタイプの極板を使
用したバッテリーの1日当たりの自己放電量はおよそ容量の0.8〜1.0%です。車種により差はありますが、セルモーターでエンジンをスタートするために
は全容量の70%以上が必要です。100%充電されたバッテリー(満充電)でも1ヶ月放っておくとセルは回らなくなる危険性があるのです。また、最近の
バイクではバッテリーは小型化されていく一方で、常時ライトオンや電子制御機器、イモビライザー等の装備で消費電力は大きくなる傾向にあります。
週に一度くらいの走行ではバッテリーを満充電の状態に維持する事は難しいのが実情です。温度が高ければ高いほど放電が早まってしまいます。

■ヤマハPAS(電動アシスト自転車)
バッテリーとは直接関係ありませんが平成20年12月1日、「電動アシスト自転車のアシスト比率に関する法令基準の改正」の施行が行われました。
具体的には【時速10キロ未満において、人力に対するモーターの力の比率(アシスト比率)を最大1:2とする】とのことです。従来ですと最大値は1:1
でしたので簡単に言うと2倍のアシスト力ということですが、時速10キロ未満と限定していますので速度の出し過ぎを抑制しています。
ところでなぜバッテリーの話で電動アシスト自転車を取り上げたのかと申し上げますと、アシスト力の向上=高い消費電力の消耗であり、バッテリーに
対する負荷が大きくなるからです。現在ヤマハPASシリーズではニッケル水素電池とリチウムイオン電池が使われております。新基準対応のニューモ
デルに伴い
、アシストユニットおよびバッテリーも一新されておりますので参考になさってください。

■ヤマハPASのバッテリー
PASのバッテリーは使用目的上、充電→消費を繰り返します。現在PASではニッケル水素電池、リチウムイオン電池が使われていますがそれぞれ特性が
異なりますので使用に関して若干違いがあります。
充放電を繰り返すと、次第に容量が少なくなるという特性がバッテリーにあります。1回の充電で走行できる
距離が著しく短くなったら、バッテリー交換をおすすめします。なおバッテリーの寿命は使用状況や保存状態、走行状態、気温、充電のしかたなどにより異なり
ます。
ニッケル水素電池 リチウムイオン電池
ニッケル水素電池にはメモリ効果というクセがあります。これは、バッテリー
を完全に使い切らない状態で継ぎ足し充電を繰り返していると、使い切らず
にバッテリーにたまっている電気を使うことができなくなってしまうというもの
です。 このクセを直すには、いったんバッテリー内にたまっている電気を全
て放電(リフレッシュ)する必要があるのですが、その時期を判断するのは
一般には難しいのです。ただしパスのニッケル水素バッテリーは、バッテリー
自身が必要に応じて充電時にこのリフレッシュを行うようになっています。
※バッテリー交換の目安
300〜400サイクルでバッテリー容量は新品の約半分になります。

1サイクル=バッテリーを使い切ってから満充電にすること
リチウムイオン電池は、メモリ効果がなく、継ぎ足し充電も可能です。しかも、
軽くて出力特性に優れています。
※継ぎ足し充電
バッテリに充電残りがある状態から、充電することです。ニッケル水素バッテリ
ーには「メモリー効果」が生じるため、継ぎ足し充電をした場合には定期的にリ
フレッシュをする必要があります。

※バッテリー交換の目安
350〜450サイクルでバッテリー容量は新品の約半分になります。

1サイクル=バッテリーを使い切ってから満充電にすること

■バイクのバッテリーあがり
バッテリーは放置しておくと次第に放電し容量が低下します。これを自己放電と呼びます。長期間バイクに乗っていないとセルが回らない、電源が入らない
などのトラブルに見舞われたことはあると思います。車種・バッテリーによりますが1日当たりの自己放電量はおよそ容量の0.8〜1.0%と言われています。
最低限セルモーターがまわるには全容量の70%以上が必要です。
バッテリーに負担をかける乗り方とカスタム、バッテリーがパンクする原因
@長期間継続して乗らなかった。
A月に1、2度程度しか乗らない、乗っても数キロ程度。
B年に数回、でも長距離乗る。
C週に半分以上乗るが、毎回数キロ程度。
Dそこそこ乗るがバイクから何かしらの電源をとっている。
EHIDを取り付けた。
Fヘッドライトにスイッチを付けた。
@、A、Bはほぼ自己放電の影響によるものです。Cの場合は特殊でセルモーターで消費した電力を走行中に補えないため容量が徐々に不足し、数が月
の割合でセルモーターがまわる最低のバッテリー容量を下回ってしまう場合です。Dの場合は待機電力を消費する機器をアクセサリー電源(キーをONにし
た時に電流がながれる電源)でなく、バッテリーから直接とっている場合におこります。Eの場合はHIDを取り付けたことによる容量不足です。バイク自身が
持つ供給電圧をHIDを付けたことにより消費電力が高くなってしまった結果です。バイクによっては起こってしまいます。Fヘッドライトに供給されるはずの
電流がスイッチを付けたことにより、バッテリーに流れ、オーバーチャージ(過充電)によりバッテリーがパンクするケース。
※ヤマハPASの場合
PASではニッケル水素電池、リチウムイオン電池が使われています。双方ともやはり
長期間使わない場合、自己放電します。諸事情によりPASを長期使わない場合、
ニッケル水素電池の場合は満充電後、リチウムイオン電池は容量約50%の状態で、
双方ともに寒暖差の少ない場所、極端に暑い所、寒い所以外で保管してください。
リチウムイオン電池は満充電の状態で保管すると著しくバッテリーの寿命を縮めます。
また過放電を防ぐため、双方とも半年に1回は充電してください。(リチウムイオン電
池は約50%)

■バイクのバッテリーあがりへの対応
バイクのバッテリーがあがった・・なら「押しがけや他のバッテリーとつないでエンジンを始動して走ったりアイドリングさせとけばよいじゃん?」と言われる方が
いますがそれでは満充電にはなりません。対応の充電機を使って充電しないと満充電にはなりません。また自己放電させてしまったバッテリーの場合は
充電機を使っても満充電にならない、復活しない場合があります。それはバッテリー内部にサルフェーションという現象が起きているからです。
サルフェーションとは・・・
鉛蓄電池は放電し切ると、負極板表面に硫酸鉛の硬い結晶が発生しやすくなります。 この現象はサルフェーション(白色硫酸鉛化)と呼ばれます。
負極板の海綿状鉛はサルフェーシン現象によってすき間が埋まり、表面積が低下する。 硫酸鉛は電気を通さず抵抗となる上に、こうした硬い結晶は
溶解度が低く、一度析出すると充放電のサイクルに戻ることができないので、サルフェーションの起きた鉛蓄電池は十分な充放電が行えなくなり、進行
すると使用に堪えなくなる。また、極板の反応面積が小さくなり放充電能力(容量)が低下し、進行すると化学反応そのものが起らなくなり、 通常の充電
をしても回復しない使用不能のバッテリーとなってしまう。
サルフェーションが起きたバッテリーはアンチサルフェーション機能のついた充電機で充電してもなかなか復活しません。残念ながらこの場合交換になります。
バッテリーを上がりを防ぐには頻繁に乗るか、トリクル充電器を使ってバッテリーの満充電状態を維持するしかありません。バッテリー端子を外しておくという方法も
ありますが効果が大きいわけではありません。
トリクル充電とは・・・
自己放電を止める事はできません。しかし、それによる容量低下やバッテリーの劣化を防ぐには、自己放電した電気を常に補充するトリクル
充電(維持充電)をすれば良いのですが、通常の充電器ではそれはできません。トリクル充電器は、検知、制御、する事で長期にわたる連続
充電を可能にします。(3ヶ月をめどにバッテリーの状態をチェック)
初期に通常充電で一定レベルの容量に回復させ、その後は放電分に見合った充電を行います。制御回路により過充電を起こさず、バッテリー
の液減りも最小限に抑えます。トリクル充電器を使用すれば、いつでもバッテリーは満充電、寿命も延びます。また最近ではバッテリーに繋い
だままで自動的にトリクル充電してくれる、トリクル充電のみの機能をもった充電器もあります。

■バイクのバッテリーの状態
あがってしまったバッテリーがサルフェーションの状態にあるのか?充電すれば使えるのか?はあがっている状態では判断できません。セル間ショート、完全劣化
等の場合は通電しませんので充電器からの電流を通しませんのでわかりますが、通電する場合は充電してからテスターなどで負荷をかけて測定します。
安易に充電前後にボルトをみてもわかりません。12Vバッテリーだからといって電圧測定器で12V出ていても使えない場合がありますのでご注意ください。
もし電圧測定器で判断される場合は下記の表を参考にしてください。
端子電圧 充電容量
13.0V 100%
12.4V 60%
11.8V 20%
10.5V 0%